Kellie

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪のKellieのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ペギー・グッゲンハイムは、NYのグッゲンハイム美術館を作った鉱山王・ソロモンRグッゲンハイムを叔父にもつ、あるNYの裕福な家庭に生まれた女性。主に20世紀の代表的な芸術家によるアートコレクションやジャクソン・ポロックの蒐集家として知られ、彼女が自宅兼美術館としたイタリア・ヴェニスのグッゲンハイム美術館は人気観光地となっている。

若い頃から奔放でアウトサイダーだった彼女はダダイズムのパリに渡り、ピカソを含む多数の芸術家たちと触れ合う。その後ロンドンでギャラリーを開業するも閉鎖。WWⅡの不穏な空気に包まれたパリでアーティスト達から作品を買い集めた(そのコレクションの全てをたった40万ドルで買い上げた)。
当時を振り返り、彼女は常にデュシャンなど信頼する画家のアドバイスを受けたといい、それがルーブルが当時評価していなかったピカソやブラック、ブランクーシなどの購入に繋がった。

ギャラリストとしての栄光の裏で、奔走な性生活により家族関係はめちゃくちゃで、晩年は娘の自殺もあり私生活は寂しさを感じさせるものだった。

自己顕示欲が強い、自由奔放な娘がヨーロッパへ渡り、グッゲンハイムという名家のプライドを保つために(必死で)生き抜いた結果が、類稀なるコレクションを創り上げた。実際彼女の生きた当時、女性のアート蒐集家は珍しく、よくある美術館の成り立ちとは異なる。ベッドでの買付を含めて。

映画を通して、20世紀の主要なアーティストの作品と、一部マンレイの動画など100点以上が登場する。ヴェニスでもNYでも、グッゲンハイム美術館へ行かれる方にはとてもオススメ。
蛇足ですが両親がアーティストだったロバートデニーロも登場。
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