エミさん

マチルダ 禁断の恋のエミさんのレビュー・感想・評価

マチルダ 禁断の恋(2017年製作の映画)
2.6
ロシア皇帝において、ロシア革命を招いたニコライ二世ほど波乱な人はいないであろう。普通にヒューマンドラマとして制作しても興味深いのに、敢えて、恋愛遍歴に焦点を当てた映画という所が、斬新で面白い発想だなと思ったし、何よりも、マチルダを演じたミハリナ・オルシャンスカの予告トレーラーのポロリにやられてしまい、皇帝同様、「この妖艶に酔いしれてみたい」という欲望に駆られてしまいました。

実際にマチルダは、ニコライ二世とは2年しか付き合っていないのだが、本編ではすごく濃厚なエピソードとして展開され、類稀なる美貌も特別ながら、何かで名を馳せる人というのは、想うものを強く求める激しさを持っているんだなぁと思いました。

見た目の良さは生まれ持ったものなので、残念ながら自然では変えることは出来ないが、信念や行動というのは変えられる。それを体現することに人は憧れるが、中々、思うように表現することは難しかったりする。
マチルダはニコライ2世のいとこと結婚し、99歳まで生きた女傑として知られている。自分の心に素直に従って生きる強さ、望んだものを情熱的に取りにいく激しさは、当時の女性ならはしたないとされるが、現代女性においては憧れの対象となる。ロシア文化の豪奢な様式美や芸術文化、綺麗な乙女達といった映画の中の華やかな世界と、生きる為に強くあれ!と女性を励ましてくれる、そんな映画だと思いました。