ひげしゃちょー

凪待ちのひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
4.7
決して派手さはない人間ドラマだが各々の役者がまるでスクリーンの中で生きてるかのようにリアルに演じている。 特に香取慎吾の色んな表情が素晴らしい。引き出しが多くて感動すら覚える。 香取慎吾と白石和彌の凄さを改めて実感させられた。また是非タッグを組んでほしい。 郁男は悪い人間ではない。だがギャンブル依存で酒呑みでキレやすく喧嘩っ早いろくでなしのダメ人間である事は明らか。ギャンブルと縁を切って人生をやり直そうとしたもの何回も何回も躓いて貰ったお金を全部競輪や酒につぎこんできた郁男だけど、これから先は勝美さんと美波がいればきっと生まれ変わることができると思う。そう思わせてくれるエンディングになんだかホッとした。 ギャンブル依存性のどうしょうもなさや怖さもヒシヒシ伝わってくる。それを抜け出すためには周囲のサポートも確実に必要であることも。 なぜ殺したかが不明なままであることは残念だけど、これほど心を掴まされた映画は久しぶり。 同じ事を繰り返しちゃうバカな郁男にイラつきながらも、周りにいる美波や勝美さんの優しさに泣きそうになりながらも耐えてたけど、郁男の涙とともに完全に涙がこぼれ落ちた。