キラリ

凪待ちのキラリのレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
3.3
“最低なんだよ、俺は”

ギャンブル依存症の男の悲哀と再生の物語。自身の弱い心との葛藤、そして悔恨の念にかられる様を香取慎吾が熱演で魅せている。恒松祐里も美波の持つ明るさと脆さを丁寧に演じ分けていて、今後が楽しみな女優の1人になった。

しかし、「誰が殺したのか?なぜ殺したのか?」というキャッチコピーを掲げていたわりに、事件の動機が全然わからなかったのが残念。ミステリーとかサスペンスにあまり重きを置いていないのであれば、もっと適当なキャッチコピーがあったと思う。

津波で甚大な被害を受けた石巻を舞台にした本作。津波の恐ろしい波とは対照的に凪いでいる海のシーンが随所でみられる。嵐のように心が波立つ郁男にいつか凪は訪れるのか。そして、現実の世界でも、被災地では今もなお苦しんでいる方が多いと聞くので、被災にあわれた方々が平穏無事に過ごせるよう心から願っている。
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