ギャンブル依存症の郁男。恋人の故郷で人生のやり直しを目指すが、思いもしなかった悲劇に襲われる。郁男は再生できるのか…
香取慎吾さん主演。長年芸能界に在籍し、明るく楽しいキラキラしたイメージを植え付けられてきた彼の独立後第一作目の作品は、従来のイメージを払いのけ、鬱屈と混沌を感じさせるものでした。
そして、上映された当時の状況の彼にしかできない、寂しさとか哀しさとか迷いとか闇とかが滲み出た演技だったように思います。
ハマったら抜け出せないギャンブル依存症の恐ろしさを感じる一方、静かに悲しみをたたえる海、血の繋がりなどない赤の他人を助けてくれる恋人の父親などが印象に残ります。一度足を踏み外してしまった人を包んでくれるような優しさを感じました。
吉澤健さんは恥ずかしながらこの映画で初めて拝見しましたが、その存在感が素晴らしかったですし、奥野瑛太さん、黒田大輔さん、三浦誠己さん、宮崎吐夢さんなど、渋いキャストが堪らなかったです。
(しかし、キャッチコピーが本編のテーマとあってないのが本当にもったいない…ポスターも…なぜこうなった…)
香取慎吾さんは、こんな暗さ寂しさを携えた役がハマると思うので、ぜひ、またこんな役を演じて欲しいなぁ〜。
