sally

凪待ちのsallyのレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
4.0
家族になるまであと少し
大人になるまであと少し
何にもなれないわたしたちは
結局はただの他人
何処へも行けないわたしたちは
約束は深い海の底へ
いつか生まれ変わったその時に

死んでしまうより、ましに生きる。

喪失と再生。破壊と創造。

自分を信じた人を裏切って、
自分が信じた人には裏切られて。
どこまでも堕ちて、堕ちて、堕ちていく。

どんなに惨めな自分でも、
大切に思ってくれる人が1人でもいるならば
そこには必ず死ぬよりましな人生がある。

間違えて、失って、また間違えて。
許しがあって、人生を再生していく。
やり直すチャンスは必ずある。

香取慎吾の堕ちていく演技は素晴らしかった。
リリー・フランキーは相変わらずの存在感。

誰のせいとか、理由が何だとか、
焦点はそこではなくて小さな希望にある。
そんなストーリーがとても良かった。

回転していくカットと音楽が独特だった。

ラストが本当に良かった。
同じ喪失感を持つ人、
同じ過ちを犯したことがある人。
だからこそ、行き着いた先。
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