ハレルヤ

ヒトラーと戦った22日間のハレルヤのレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
3.8
第二次世界大戦下の1943年。アウシュヴィッツに次ぐ収容所だったソビボル収容所。ユダヤ人の虐殺が巻き起こる中で、元ソ連軍捕虜のアレクサンドル・ペチェルスキーを中心とした反乱を描いた実話ドラマ。

そこに収容されたユダヤ人たちは数時間で亡き者にされ、仕事に就かされた者もいつ殺されてもおかしくないソビボル収容所の実態。それは冒頭から示し出され、「シンドラーのリスト」を思い出すような絶望感が漂います。

全編ユダヤ人の殺戮と虐待の描写が多くを占めていますが、中でも中盤の宴会シーンは見るのも本気で辛いくらいの酷さ。キツさを感じながらもこれも実際にあった事としてリアルに描き出していたと感じました。

そんな極限状態の中、一か八かの反乱を企てて脱走を試みようとする主人公のサーシャたち。将校たちに美味い話を持ち掛けて誘い出し、1人1人を確実に殺害していく。そしてラストは数百人の圧巻な大脱走劇。この流れは映画の見せ方としても秀逸でした。

文字通り殺るか殺られるかしかない恐ろしい状況。実際は映画の比にならないくらいの恐怖感だったと思います。そして今の平和な時代の有り難みを改めて痛感しました。

1つケチつけるなら邦題。ヒトラーは劇中セリフにすらも出てこないのにタイトルに無理矢理ねじ込むのは止めた方が良いです。笑
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