Omizu

ドクター・スリープのOmizuのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.0
ホラーというかスリラー。良くも悪くもマイク・フラナガン監督の作家性が強い作品。フラナガン監督はそもそも非常に上品で上質なホラーをつくる方で、かなり高度な技術を持っている。ネトフリのドラマ『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』はその極致とも言える。

ともすればバカっぽい、それこそブライトバーンのようになりがちな「シャイニング」という材料を、とても的確に料理してみせた。そこは評価できる。

あと、成人女性の演出が素晴らしい。この映画で一番魅力的なのはレベッカ・ファーガソン演じるローズだと思うんだけど、その仕草や言葉がよくて、すごく上品だけど怖いことを考えてる感じが上手くできていた。『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』のお母さんのように。

あと撮影が素晴らしい。美しい。

ただ、あの名作『シャイニング』の続編として打ち出されるとんん?となる。

屋敷に行くまでが長い。もう少し屋敷が見たかった。亡霊大集合のところはちょっと笑ったんだけど、あそこまでやるならもっと彼らを出してほしい。もっとローズやダニーたちを怖がらせて欲しかった。

でも箱の演出や、死んだ後に「師」として生き続けるという設定はおもしろかったし、話に深みを増していた。

トータルでは好きな作品ということになってしまう。というかマイク・フラナガン監督の作品ならもう無条件で好きです。これからも良質なホラーをどんどん作ってください。
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