みんと

ある女の愛のみんとのレビュー・感想・評価

ある女の愛(1953年製作の映画)
3.7
ジャン・グレミヨン監督作品。

医師の仕事と、愛する男性、そのどちらかを選ぶよう迫られ悩む女性を描いた悲しくも美しいラブストーリー。

ブルターニュの離島に医師として赴任してきた主人公のマリーは少しずつ島の住民に腕を認められていくが、一方で、ある男性と運命的な恋に落ちたことで自身のキャリアと愛との間で選択を迫られる事になるのだった……

イケメンだけどなんとも煮え切らないマッシモ・ジロッティにイライラが募る。

仕事と恋、仕事と家庭、女性の自立と男性の女性に求める妻像。
今の時代の頭で考えるとナンセンス極まりないのだけれど、時代的にこのテーマは先取りしてるのかなぁ。

そして映像的には、島の美しい自然は勿論、嵐の中の船のシーン、オペのシーン…。製作年を考えても素晴らしいと思う。

ストーリーと言うより、ダイナミック且つ繊細なモノクロ映像と、仕事と愛の間で揺れ動く女性の心理を丁寧に描いた作品だと思う。

ラストの先の苦味を伴う余韻も良い。
みんと

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