童心を思い返せる愛らしい作品
自身が小学生のころ、アニメの聖書物語を見て、イエス様が磔の刑に処せられる場面にショックを受けたのを思い出した。それが、僕がキリスト教を感じた原初体験だった気がする。
また、ユラが一人でトントン相撲に興じたり、友達と人生ゲームをしたりする場面では、遠い昔に同じような体験をしたことを懐かしく思い出した。
子ども時代、大人たちの言動に矛盾や疑問を感じる場面がたくさんあったっけ。まわりの世界が未知のモノだらけで、一つひとつの経験が新鮮で驚きの連続だったっけ。宗教は、未知なるモノの大きな一つだった気がする。
子どもだった時代には言葉にできなかった問い。「この世界に絶対的なものはあるのか、ないのか?」
こんな自身の経験や、おそらく子どもだった時代に抱えていた問いが思い出されたということは、作品が子ども目線で描かれているから、子どものみずみずしい感性を描こうとしているからだったんだろう。イエス様の描かれ方も面白い。
セリフの音量が小さくて聞き取りずらかったのと、場面の切り替えが分かりずらかったのがちょっと残念だったかな。