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ある官僚の死
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『ある官僚の死』に投稿された感想・評価

Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
「ある官僚の死」

冒頭、とある葬式現場の風景。男がスピーチ、埋葬、親戚の列席、年金、夜な夜な墓掘り、模範的な労働者、キューバ独立、未亡人。今、官僚の堪忍袋の緒が切れる時、悲惨な目に遭う…本作は1966年にトマス・グティエレス・アレアが監督した現代にも通じる官僚主義を笑い飛ばした作品で、この度DVDを購入して初鑑賞したが面白い。まず、監督のブラックユーモアのセンスが非常に好みである。

どうやら監督の実体験に基づいて描かれている作品のようだが、非常に面白い。というのもこの作品の問題になっているのが、未亡人の年金をくれるかくれないかと言う単純明快な問題を官僚的な考えで解決しようとするが故に、かえってややこしく、難しくなっていき、小さな出来事が徐々に大きな出来事に発展してしまい、大騒動を巻き起こすと言う点が非常に画期的である。

この作品の紹介文に書いてあるように現代にも通じる官僚社会の一文…間違いなくそうである。この作品は1966年のカルロビバリ国際映画祭で審査員特別賞を受賞している(聞いたこともない映画祭今回初めて知った)。





さて、物語は 模範的な労働者が急死し、労働者証とともに埋葬される。だが、未亡人が年金を受け取るためにはその労働者証が必要だと言われる。未亡人の甥が掘り起こし許可を申請するのだが、あちこちをたらい回しにされ、挙句の果てに自ら遺体を掘り起こすことになる…と簡単に説明するとこんな感じで、死んでしまった労働者を父親が代わりに慕っていた甥がこの作品の主人公である。

因みに冒頭で葬式が行われているその労働者はキューバ独立の父ホセ・マルティの胸像のレプリカを一家に1台置けるように超高速の胸像製造機を発明して、その機械に巻き込まれて死んでしまったと言う設定である。

いゃ〜これをやる為にはこの許可証が必要で、これをやってしまったら今度はこの許可証が必要で、既にその許可証が発行されてるから次はその許可証を新たなものにしなくてはいけないとか…もうこういった怠くてうざったいらしい事がこの映画では映されている。こんなの忍耐強くならない限りストレスで死んじまうよ。こんな皮肉なタイトルよくつけたものだ。

この映画めっちゃ気持ちわかるシーンがあって、こういう役所っていうか事務関係の連中と会話してる時って、わけのわかんない(一般人には聞き慣れない言葉)慣れない用語ばっか使って、ひたすら説明して途中で訳が分かんなくなってくる事がよくあるのだが、現実的にこの映画にも年金をもらうために役所に行って、あーだこうだ言われて女性(公務員)の方がパソコンを打ちながらひたすらペチャクチャペチャクチャ喋っている口元がコマ送りになり半ば声が宇宙人ぽい声に変わって主人公の男性(甥)が一瞬…ん?見たいになる場面は非常に心に響く。

実際にこの主人公も働くふりをして働いてない役所の官僚に対してブチ切れるし…。


この映画にも公共の広場での大乱闘みたいなものが起こって凄い迫力がある。人々が花を投げたり、犬が骨を加えて横切ったり、警察官がやってきたり、音楽が流れて半ばパレードのように演奏し始めたりして地面に倒れる黒人の女性(キューバの人かな?)男性女性構わずに暴力をふるい、途中からは静止画になるし…一瞬カオス的な場面が訪れる。

それに荒涼な地でスローモーションになりつつ、崖の上から棺桶を投げ捨てる主人公の描写は幻想的である(彼の夢の中)。この映画嬉しいことに1番最初にオーソン・ウェルズを初めとして黒澤明とバスター・キートン、マリリン・モンローなどの全ての映画人に捧げると彼らの名前を出してくれている。


余談だが、このDVDに、収録されていた短編映画の「チャチャチャの哀愁「も鑑賞した。基本的に当時のスチール写真や資料映像が流ながらキューバの伝統音楽を流しつつ、キューバの美しい女性の外を促したりしている。 エンリケホリンの奏でるバイオリンが非常に印象的だった。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【えっハロルド・ロイド系?】
キューバ映画!

本作は丁寧にも、黒澤明やオーソン・ウェルズの謝辞から入る。そして、展開は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』や今の日本の役所にも通じる「役人盥回し芸」だ。

労働者が死に、葬儀が行われたのだが、遺族が年金受け取ろうとしたら、「彼の労働者証を持ってこい!おととい来やがれ!」と言われる。墓を掘ろうにも、許可が必要で、ドキュメントが足りないと追い返される。痺れを切らし、勝手に墓を掘り埋めようとすると、これまた許可が必要で、例外処理による盥回し無限ループ地獄へと陥る。役所は退社の鬼!長蛇の申請待ちの末、あと一歩のところで、定時バイバイを決められてしまう、、、

こう聞くと社会派ドラマに感じるが、実はベースがバスター・キートンやハロルド・ロイドなのだ(『ロイドの要心無用』もろコピーシーンもあるよ!)。労働者の死亡シーンはチェコアニメのような切り絵で表現されている。

トマス・グティエレス・アレア、手数が多い!そして、『低開発の記憶』より断然面白いではないか!

自分の職場が1960年代キューバさながらの状態に気づき、ショックを受けつつも大満足、一本満足!なのでした。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.4
働き者の叔父と組合員証を一緒に埋葬したが、叔母が年金を受け取るためには組合員証を提出しなければならず、遺体を掘り起こそうにも役所は取り合ってくれない。だから遺体を自分で掘り起こして組合員証を手に入れたがトラブルで遺体を埋めることが出来ず、遺体を埋めるためには「遺体を掘り返した」という証明書を遺体を埋める部署に提出しなければならず、けれども遺体は埋まってないので困ったなあという禅問答みたいなスラップスティック。ローレル&ハーディみたいでまあ面白かった。

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