KnightsofOdessa

プリンセス・シドのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

プリンセス・シド(2017年製作の映画)
5.0
[他人を尊重しながら自由に生きることの美しさ] 100点

超絶大傑作。もうね、尊い以外の言葉が出ない。互いを尊重しあいつつ、互いにいい影響を与えていく伯母ミランダと姪シド。固定観念で捉えがちなミランダと柔軟な発想でものを考えるシド。そして、見知らぬ土地で出会ったカッコいいケイティ。周りとの関係に思い悩んでいるシドは、バカンスという自由な時間と見知らぬ土地で少しずつ殻を破っていき、それを優しく見つめるミランダも固定観念と現状維持の生活から抜け出す視点を見つける。自分の幸せと他人の幸せは違うものだから、それを侵さない範囲で自分の幸せを追求していくこと。その帰結としての"人生の醍醐味はケーキなのよ"という美しさとかっこよさ。最近は自由に生きる=自分勝手に生きると勘違いした傍若無人な人々が増える中、他人を尊重しながらも自由に生きる三人の生き方は、綺麗事しか並べていないにしても理想的で美しい。

シドとケイティが屋上に出たら、向こうのマンションで映画の撮影をやっていて、"そこのカップル、背景で踊ってくれないか"という誘いに乗っかるシーンは流石にヤバすぎる。いなくなったら何すればいい?→来る前のことを繰り返せばいい→じゃあいなくなるまでは?→死ぬほど楽しもう。この一連の会話に全てが集約される。最高。
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