くまくま

海獣の子供のくまくまのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
3.0
作画と音楽は文句なしに良い。声については最初の方は違和感を感じるかもしれないがすぐになれる。物語については後半部分が難解であり、ジョジョ6部のラストを想像すると見ていなくても想像できると思う。(6部に関しては宇宙が持つ誕生から消滅までの時間を早める事で、本来は長い時間をかけてたどり着くはずだった世界を一巡させていると解釈しているが、今作品はあくまでその宇宙が持つ時間に触れる事により内側の意識=自分の世界を一巡させるというのが正しい気がする。)
宇宙の表現があまりにも芸術的すぎるので、多くの人がストーリーを追うための道を完全に失い、視聴意欲を失っているが、要するに自分と世界の距離が遠すぎるルカが外側にある大きな意識の渦に触れる事で、自分と世界にある深い溝を埋めていくという事だと解釈している。重要なのは冒頭と終盤であり、ルカの世界を構成するものが再び結ばれる事、そしてこれから触れていく世界との結びを見つけるという事、それらが大切な事であり、逆に言えばそれまでは全て過程にしか過ぎないと思われる。ストーリーのラインや感情表現などを大切にしている人はお勧めできないが、映像表現や音楽など好きな人は結構いけると思う。世界が構築される過程は旧エヴァのまごころっぽいところはあるし、その点は結構好きだなぁと感じた。
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