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海獣の子供のYuのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
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ゴジラで「怪獣」と触れ合っている芦田愛菜が同じ劇場で「海獣」とも触れ合っている!まじで何者なんだよ!!!

『崖の上のポニョ』で感じた海の怖さ。得体の知れないでかい魚がギョロっとしこちらを伺ってきて、「こいつら何考えてるんだよ、」っていうアレ。

『海獣の子供』でもその得体の知れない感はもちろんあるけど、恐怖というより電撃殺虫機に惹き寄せられる虫になったような、心地よさとヤバさが同時に襲ってきて確実に能の回路をショートさせてくる!!

『鉄筋コンクリート』の漫画が動くような作画でお馴染みの「STUDIO4℃」が作画監督に『かぐや姫の物語』や『東京ゴッドファーザーズ』の小西賢一を迎え入れ、海の海獣をありえない作画で描き切った今作『海獣の子供』。
まさに狂気の沙汰としか思えない映像体験で脳みその活動がストップして、そのまま頭に情報をブチ込まれるような、頭が痛くなる超絶雰囲気映画。絶対に映画館で見たいような映画が今年はめちゃめちゃ多い!!!

例えばだけど、メガロドンよりもでかいと言われている古代電ノコサメ=ヘリコプリオン。あいつがクジラの中の海底火山でしっとりと泳いでるんすよ!ヘリコプリオン映画がいつか見たいと思っていたのが、まさかここで見れるとは!!サイコーか!

そんで一番脳みそがバチるザトウクジラにまとわりつく水飛沫シーン!CGと作画の意味のわからない組み合わせに『スパイダーバース』で出し切ったと思っていたアニメーションの限界を確実にブッ飛ばした映像体験でした!!

あと、以前窪塚洋介の舞台『怪獣の教え』を見に行ったときに感じた海原感。
『アクアマン』や『ウォーターワールド』とかでも海は感じるけど、ほんとに見渡す限り陸がない”沖"って見た目だけじゃなくて、静か過ぎる得体の知れない雰囲気があって大海原ってこれだよ!!!大海原はすげー広くてキレーでめちゃ怖なんだよ!!って足の先から大気圏までゾクゾクが一気に走り抜けるような、そんな海原感があった!!

そんな海原でクジラの歌から始まるのが『海獣の子供』です。
クジラの発する音は言葉というより音に近いみたいで、その音は言葉よりも映像や気持ちを言葉よりも的確に伝えられるらしい。
そんな歌がキーになる映画だから主人公の目は基本死んでる。
ギャグマンガ日和かよ!ってくらい目が死んでるんだけど、歌に関するような、言葉以外でのコミュニケーションのシーンに入ると目が死ぬほどキレいに澄んで、まさに吸い込まれるような感覚になるのです!!!!

物語の加速スピードもどんどん早まっていって、冒頭の「夏休み映画」の面影は完全に消え去って、クライマックスの生誕祭のペースは完全に『2001年宇宙の旅』。
ただ、ちょくちょく入る口琴顔面ババアの丁寧すぎると言っていいような解説のおかげで、口をポカーンと開けながら席を立つようなこともない!終わったあとに考える余地の広さがちょうど良くってもう脳汁ダラダラですよ!!!

海くんと空くんのいちゃいちゃに挟まれたいし、アングラードさんには普通に抱かれたかったです。
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