喜連川風連

海獣の子供の喜連川風連のレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.0
この世のものとは思えない海の綺麗な海外の街を旅してきたかのような圧倒的体験だった。

世の中のあらゆるものを言語化し、研究しつくしつつある人間に疑問を投げかける。

それはこれらのセリフに集約されている。
「世の中のうちの9割以上は観測不能な暗黒物質である。」
「クジラは数キロ離れた仲間と歌で会話する。」
時に人間には理解できない世界を持っていると言われている動物たち。
見終わった後、そんな動物たちを理解することが出来ず、虚脱感・無力感そして孤独感を感じた。

人間には理解できない世界を描くため、
理解できない難解な描写が多数あり、これを商業映画で観れたことが奇跡のようで感動した。

描写に関しては圧巻の一言。
他の方がこれは鑑賞ではなく、体験だ!と書かれていたが、言い得て妙。

崖の上のポニョを上位互換したかのような美しさと官能さ、耽美さを讃える。
それをスクリーンで見るだけでも価値があるといっても過言ではない。

難解な美しさをぜひ劇場で体感してほしい。
喜連川風連

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