なな

マチネの終わりにのななのネタバレレビュー・内容・結末

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

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「変わんないよね、やっぱり走らない。
彼との待ち合わせもそうなの?」
洋子「慌てたら幸せは逃げていくって言うでしょ?」


洋子「どこか遠くへ連れて行ってくれるような。」
聡史「実は舞台の上から誘っていました。」


「自分を責める必要はないですよ。」
洋子「責めてるわけじゃないの。そうじゃなくて。」
聡史「洋子さんは記憶のことを言ってるんじゃないかな。」
聡史「おばあさんがその石が原因で亡くなってしまったから、子供の頃の楽しいままごとの記憶はもうそのままじゃいられない。人は変えられるのは未来だけだと思い込んでいるけど、実際は常に未来が過去を変えてるんだよ。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去っていうのはそれぐらい繊細で感じやすいものなんじゃないですかね。」

(既に決まっている公演を中止したい。
聡史「理由はなんとでも言えるんですけど、ただギターを弾くのがいやになったんですよね。」

聡史「洋子さん、映画『幸福の硬貨』で主人公の男は少女に硬貨をもらいます。いつか、生きていて良かったと思ったら、すきなものを買いなさいと。彼は何を買ったんだろう。穴の空いてない帽子だろうか?それとも、砂糖がたっぷり入ったショコラ?洋子さんなら、何を買いますか?あなたと、『幸福の硬貨』の続きが話したい。無事を祈ってます。」

聡史「アランの言葉を噛み締めています。尊ばれないことは忘れ去られる。我ら人類の最も美しい掟だ。演奏家にとっては厳しい掟ですが、まぁ、真偽なんでしょうね。」

(パリで起こったテロで亡くした同僚もいて、
大きな音にビクビクしてしまって周りが見えなくなって、そんな時でもこっちを見てとだわいない面白い話をしてくれる。そんなふんわりした優しさって素敵だよね。

洋子「この仕事は四方八方から近くから遠くからあらゆることから運命を貫通していくの。なすすべもなくね。それが、銃弾の形をしていることもある。」

聡史「洋子さん、もし洋子さんが地球のどこがで死んだって聞いたら、僕も死ぬよ。」
「いつもそばにいられるなら、いつも僕に話をしてくれるなら、他にも洋子さんを支える方法はあるけど、それがままならないなら、それ以外の方法は思いつかない。」

洋子「私、結婚するの。」
聡史「知ってる。だから、止めにきた。」
(彼は知り合ってから20年以上、でも、聡史さんとはこれで会うのが2度目。

聡史「洋子さんの存在こそが、僕の人生を貫通してしまったんだ。いや、貫通しないで、深く埋め込まれたままで。」
「正しいかどうかは分からない。でも出会ってしまったから。その事実をなかったことにはできない。」
「いつも、そばで洋子さんに存在し続けて欲しいと思ってる。」

聡史「静寂が押し寄せて、暗闇に飲み込まれて、やっぱりうまく説明できないかな。」
「若い時は、何を弾いてても行き先が見えなくても全然怖くなかったんですよ。むしろその見えない事自体を楽しんでたっていうか。でも今は、行き先が見えなくなると、どんどん怖くなって。」
「孤独って影響力を失ったことを知ることなんですかね。自分だけは歳をとってもそんな幻滅は味わう事はないってどっかでそう思ってました。」

「彼女、マネージャーのときからずーっと思ってたんですって。蒔野さんが主役の人生を支える名脇役でありたいって。」
「あなたのためならなんだってできる。それほど充実した人生はないって。」

早苗「嘘をついたままじゃ蒔野が復活できないんじゃないかって、すみません。正しく生きることが私の人生の目的じゃないんです。私の人生の目的は、蒔野なんです。」

早苗「前に聡史さんの部屋にあったベートーヴェンの日記を読んだことがあるの。」
「ゆうべにすべてをみとどけることっていう謎めいた一文があって。」
聡史「あれは、最初に提示されたテーマを最後まで見届けて、で振り返ったときにはじめてその全体がわかるっていうそういう解釈かな。」
早苗「花の姿を知らないまま、眺めた蕾は知ってからはもう同じ蕾には見えないんだよね。」

(早苗、マネージャーの意図で別れてしまい、それから4年、別々のパートナーを持ち、子供もでき、やっぱりうまくいかず、マネージャーが事実を打ち明け、別れ、再会。
2人には幸せになって欲しいな。
クラシックギター。素敵な演奏でした。
なな

なな