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マチネの終わりにのtkmのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.9
原作は未読。よく酷評しているとある人が絶賛していたため上映が終わる前に!と滑り込んできた。

台詞、設定、おとなの恋愛、知的な意思の疎通、そしてすれ違い。音楽、葛藤。
福山雅治と石田ゆり子だからこそ成立していた部分が多いのではないか。そのくらい2人が素晴らしかった。

パリやNY、英語とフランス語の会話がおそらく日本の場面より多かったのにさほど違和感がなかったのも2人の効果か。褒めすぎ?

レビューをいくつか読んだが、どうやら原作とは時代背景が違うもよう。だからか、唯一つっこまずには居られない場面が。

そう、すれ違いの場面だ。
家に帰ってPCでログインすれば連絡先もクラウドからメッセージも見られるでしょ。機種交換したって、元のメッセージは残るでしょうに。
まぁ、あれが大きな転機となったのだから文句言っても仕方ないか。

また、三谷(桜井ユキ)は何故いまさら、あんなタイミングで告白する?あれは自分のエゴだと思った。どうせなら墓場まで持っていき罪を償えよと思ったが、それじゃみんなが不幸だね。

しかしながら、全編を通して奏でられるクラシックギター。そして演奏する姿がとにかく心に響いた。説得力もある。これは文字では分からない部分だろう。
未来が過去を変えるというテーマもぐっと響いた。

エンドロールが終わっても余韻で涙が出てこみ上げてきてしまう、そんな作品だった。

幸福の硬貨、私なら何を買おうか。
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