いーないーな

アルキメデスの大戦のいーないーなのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
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何故第二次世界大戦は起きたのか。
この映画から分かったことは、
日本は日露戦争に勝ち、酔いしれていたこと。
少なからずまた勝ちたいという欲望を持ち、
日本なら勝てると思う政治家、軍人、民衆がいたこと。
それが世の機運になりつつあったこと。
ここでは開戦の9年前の日本、海軍が描かれている。
山本五十六という人物を知っている人は多いだろう。非戦争派であった。真珠湾攻撃を早期に行い、敵にバレない間に攻撃を行い、即終戦に向け交渉戦に持ち込もうこと考えていた人物。
同じく、戦艦大和を設計した平山氏も、
日本とアメリカの国力の違いを見据え、
日本が敗戦することを見越して、
日本にとって象徴的な美しい巨大な軍艦が沈むことで、日本が敗戦の道を早期に決断しやすくなるよう、わざと大和という日本人の心に刺さる名前の軍艦を造船したと描かれている。
もしこれが真実だとしたら、映画の冒頭のシーンのように、哀しい未来を惜しくも予想していたのかもしれない。
沈むことを想定して、設計するという仕事を
やらざるを得なかったという、辛い立場。
難しい決断をしたのだろう。

この映画の主人公は、数字で物事を捉える人。
工費を鉄の数量で導くという公式を導き、
計算した。
本来、工費は、工期、人件費、材料費の総和。
だが、過去の戦艦の数量から導くという。
加えて、戦艦のど素人が、戦艦を実測し、
勉強し、設計図まで書くという天才さ。
だが、彼から学べることは
数字は客観的な証拠であり、
数字は嘘をつかないこと。
数字こそは真実であること。

自分の定数と変数。
変えるべき定数。
そこに向き合って生活したいと思う。

話は戻るが、
この戦争について。
過去の栄光に囚われてはいけない。
時代は進んでいる。
技術は進んでいる。
やるかやらないかという議論になってはいけない。
そういう機運を作ってはいけない。
戦争での犠牲者は、罪のない子供であること。
敵も味方の子供。
いーないーな

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