Misa

アルキメデスの大戦のMisaのネタバレレビュー・内容・結末

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

よく出来た半フィクションだなぁと2回目も感心しました。基本、2回目は“ながら観”をしていることがほとんどなのですが、映画館と違って気になったところをその場で調べながら観られるのは、それはそれで良いところ。

その時代、戦艦派と空母派が居たのはほんとだとか。そして新国立競技場の賛成派と反対派の論争から、原作者はこの話の着想を得たとか(ちゃんと裏取りはしてない)。

菅田将暉演じる主人公が、直向きな努力と、数式を操る頭脳で人々を説得し、前に進んでいく姿は観ていてとっても手に汗握りつつも心地よい。けど、それで終わらないのがこの作品のミソかと。史実に回帰するならば、結末を知っているが故に、不快感•苛立ちを覚えざるを得ない。

数式として美しいものを愛する主人公、それを逆手に取って、最終的に大和が造り上げられてしまうところが、謀略としては見事すぎるし、恐ろしすぎる。誰かがその一連の糸を引いていたというより、各方面の思惑が交差して導かれたであろうこともまた。しかし結局、戦艦案に戻ったけど藤岡陣営としてはそこはもう飲まざるをえなかった感じ?

大和の上で山本五十六に敬礼をする彼は、もう反戦を唱えた数学者ではなく、軍人になってしまった目をしていて、その演技が素晴らしく良かった。あとは図面を描いているときのワクワクした表情。あれがあって、大和造船に加担したことにも納得してしまう。

※1回目:2019/8/15 映画館
そのころまだFilmarksを知らなかったので、「戦争モノ感はあまりなく、話としてはすごく分かりやすい。キャストの演技が総じて渋くて良い。」「菅田将暉の好感度が爆上がり」とInstagram(ストーリー)に記載しておりました笑
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