映画館で観ていたら2019年ベストだったと思う。とても面白かった。船の建設費用を暴くという本筋もエンターテインメントとして面白く見応えがあったけど、ラストに明らかになる、何故日本は愚かな戦いに突き進んで行ったのか、についての（この映画での）答えに脱帽した。
分かっているのにそうせざるを得なかった、誰の目にも明らかなのに戦わざるを得なかった、国民の「空気」があったこと。「空気の研究」という本を想起させる内容だった。なんと愚かで恐ろしい時代だろう、と思う。ただ、今振り返ればそう思える私達も、いつの間にか見えない「空気」に振り回され、誤った道へ進んでいるのでは無いか、という恐怖も感じた。
あと面白かったのは、あれ程軍力や戦争に嫌悪感を抱いていた櫂少佐が、一度あの船を生み出した悦びを味わってしまった、という恐ろしさ。いつの間にか飲み込まれ、熱狂してしまう魔力のような...
菅田将暉の表情、眼が凄かった！改めて上手いなあ、凄いなあと思う。柄本佑との掛け合いも面白かった！
