mat9215

新しい遺言のmat9215のレビュー・感想・評価

新しい遺言(1936年製作の映画)
3.5
早口の台詞の掛け合いで、英語字幕を追うのが大変。俳優たちの会話を捉える長回しは、俳優たちを動かしたり、クロースアップを交えたりしてもちょっと単調なところがあった。クセの強い登場人物たちの中でもいちばんの食わせ物がシャッシャ・ギトリ御本人。妻の不倫と自分の愛人・隠し子を記した遺言が暴露されてもそれほどには動じないどころか、ご注進にきた友人の妻とも昔出来ていたことまで明らかにされる。4つのジャンヌ・ダルク像を回るあたりは撮影当時のパリが映り込んでいて、どんな映画でも生身の俳優や現実の風景を撮影するドキュメンタリーの側面があることを再認識する。『とらんぷ譚』でもニースなどのロケ撮影が印象的だった。
mat9215

mat9215