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15年後のラブソングのSY3KRのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
2.5
人気ドラマ『ガールズ』で好評を博したジェシー・ペレッツが7年ぶりにメガホンを取ったラブストーリー。

ローズ・バーンとイーサン・ホークのカップルの相性の良さを賞賛する声が多い本作だが、どちらかといえばイーサン・ホークの1人勝ちと呼ぶに相応しい映画であった。どんな役をやっても男前に映ってしまうイーサン・ホークがあまりにも強すぎる。

本作ではある日突如として音楽業界から姿を消した、伝説の歌手タッカー・クロウを好演。タッカーの容姿は、うだつの上がらない中年男性で体つきもポッチャリしている。並の俳優が演じたら単なる冴えないオッサンで終わってしまうのだが、彼の手に掛かれば「かつてのカリスマ性」が自然と滲み出てくるから大したものだ。

ただしシナリオは平板で、正直そこまで評価されるほどの良さは感じない。特にアニーの恋人であるダンカンの人間性が酷すぎて、なぜ15年も一緒にいたのかがサッパリ分からない。お話としてはタッカーが現れたことでダンカンのクズっぷりが際立つ展開にしたかったのかもしれないが、これに15年も気づかないアニーの方がどうかしている。

また、2人が恋に落ちるきっかけも上手く描けているとは思えない。そもそも何回も結婚に失敗しているタッカーが、リスクを冒して会ったばかりのアニーに惚れ込む理由が謎である。残念ながら、個人的にはよくあるシンデレラ・ストーリーの域を出ない凡作に感じた。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:84%
・観客支持率 :74%
「本作はどこか見慣れた展開のストーリーではあるが、ローズ・バーンとイーサン・ホークを中心とした魅力的なキャストの素晴らしい演技が華を添えている」
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