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15年後のラブソングのCinemanのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
3.3
いやあ、イーサンいい歳の取り方してますねぇ。
今まで見た中で一番魅力的なイーサンだった。
半ズボンで足ボリボリかきながらニタニタメール読んでるの画なんかよかったよw
若い頃のツルツルの美青年イーサンもいいけど、断然今が魅力的。

ローズ・バーン、クリス・オダウドが地に足ついた中年男女カップルでこれまた良い。

これニック・ホーンビィ原作なのね!
ポップカルチャー愛全開で、都会独身男たちのオタク的閉鎖性という意味でのネオ・マッチョイズムを軽妙に描いてきた彼。
今作では創作者と熱狂ファンの同世代男たちが対となって登場することで、そのマッチョイズムへの皮肉と温かな眼差しが成熟した形でサラッと描かれてて時の流れ感じたし、よろしかった。

やっぱりそこにはローズ演じるアニーの存在大きいね。彼女がまあちゃんとした魅力ある女性なのだ。みんなミドルライフクライシスの中にいて、今までの自分じゃない自分を探すんだけど、それがちゃんと若者の自分探しとは違う成熟した旅路を辿ってたね。
アニーが血縁を重視せずに、男たちの一時の感情とは一線置いて、完全に自分の決断として子供を儲けて、その先でタッカーとの未来を選んだのがいいね。
イーサンが出た別作品、『マギーズプラン』ではまさにその岐路で子供の父親と自分のパートナーを兼ねて選んだ女性の話もあったね。どちらも間違いはないよね。
どの段階で何を選択するか、選択していくかという違いだけだから。
そういう意味で、男も女も幾つになっても何を選択していくかという現在進行形で波乱の人生は続いてる。まさにこの作品のテーマでもあったわけですね。

こういう40-50代の人々の等身大のでも軽妙で爽やかな青春ストーリー、もっとあったらいいなあ。
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