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殺人者にスポットライトのzhenli13のレビュー・感想・評価

殺人者にスポットライト(1961年製作の映画)
3.7
大富豪の伯爵が危篤状態で屋敷の姿見が隠し扉&マジックミラーになった小部屋に身を隠すオープニング。伯爵は今際の際にマルタ騎士団の正装となりものものしく鏡の奥へ隠れていくのに対し、遺産相続を待つ親族の一人ジャン=ルイ・トランティニャンの恋人がやたら軽薄で特に遺産を気にするふうでもなく、なんでこの恋人ずっと登場するのかなと思ってたら、ラストでなんとなく納得してしまった。
伯爵の葬列を、そこに参加しない恋人がラジオの歌でおくる。葬列について歌ったシャンソンはとても陽気だった。「貴族の死」「伝統の死」を軽やかに葬送できるのは、その恋人だけだったのだ。

(寝落ちで経緯がわからなかったが)屋敷を博物館のように公開することになってて、音響装置とスポットライトで屋敷そのものを演出して音声でゆかりの伝説を物語るショウのシーン、映像の無いプロジェクションマッピングみたいでなかなかのものだった。
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