セッセエリボー

スヴァネティの塩のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

スヴァネティの塩(1930年製作の映画)
4.1
塩が思いのほか脇役。もっと塩映画かと思った。塩分ほしさに汗でもオシッコでも赤子の命でも舐め取ってしまう動物たちの剥き出しの存在感が怖い。雪崩とそれを見て絶叫する人、渇きで死にそうな母と水こぼしまくりブルジョアなど、強烈な画面の高速モンタージュによる脳への直接刺激がすさまじくて改めてソ連という国の生み出したものはとんでもねぇなと思った。鑑賞後に師曰く、高揚を齎すモンタージュの効果を映画の中に定着させたのはソ連とアメリカだけ、二国は兄弟のように似通った発想で影響しあっているし、その根底には共通して「時間を手中におさめている」という自負に由来する万能感があると。