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スヴァネティの塩のbrianのネタバレレビュー・内容・結末

スヴァネティの塩(1930年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

無声映画時代を代表するドキュメンタリー。コーカサスのスヴァネティ地方、過酷な自然環境のなかで生きる人々の姿が四季を通じて映し出される。岩山での重労働、争い、貧富の差、出産等が描かれ、ブニュエルの「糧なき土地」に先んじる名作と評価される。

一番衝撃的なシーンは出産が葬式の時期には不浄だとして家から追い出された妊婦の姿。亡くなった赤ん坊の墓に母乳を垂らす。カメラは容赦なくズームアップしている。胸が痛くなるシーンだった。

生きていくためには働かないと食べていけない。けれども貧しさは変わらない。
大国ソビエト連邦への道路整備は貧しい人たちの汗と涙の結晶だ。

権力者の下には多くの民が国のため懸命に生きて働いていることを改めて思い知らされる。

https://youtu.be/S__Jc-65ljs


「ジョージア映画は奇妙な現象だ。特別であり、哲学的に軽妙で、洗練されていて、同時に子供のように純粋で無垢である。
ここにはわたしを泣かせるすべてがあり、わたしを泣かせることが容易ではないと言っておきたい。」
(フェデリコ・フェリーニ)
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