監督・脚本 片山慎三
日本は貧困が加速しているというけれど、この話の兄妹と似た境遇にある家族は、意外とあるのかもしれない。
追い込まれて選択肢が無くなってしまった時、売春に手を出してしまう人を僕は無碍に否定することは出来ない。
だって、売春は誰の命も財産も奪ってはいないから。ましてや、この兄妹のバックには反社がついている訳でもないんだ。
地味で観ていて痛々しくなる話が進む中で、ハッとするくらい印象的な絵を、クリエイティブなカメラワークで差し込んでくる。
その画力が、単なるドキュメンタリィっぽい作品ではなく、映画に引き上げていると思うんだ。