サトタカ

岬の兄妹のサトタカのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
5.0
こういう日本映画が見たかった。

「さがす」からこの映画に辿り着いた。開始15分で「5点中5億点…っ!」と独りごちた。

知的障害ありの自閉症の妹、真理子と二人で暮らす良夫。良夫も足が悪くいつも引きずって歩いている。根は悪くなさそうなタイプなんだが、すぐ感情的になったり、弱そうな相手にはイキったり、遵法意識が希薄だったり、名前とは逆にけっこうワル夫。
真理子は、名前の通りどこか薄汚れモヤっとボヤけて見える世の中の「真理」を突くようなところがある。
失踪癖、貧困、売春、障害者差別、格差、堕胎など限りなく重いテーマを扱っていながらどこかユーモラスだったり、儚くも美しい絵面を入れてきたり、監督・脚本・プロデューサーの片山慎三はかなり力量のあるクリエイターなのだろう。とうてい初長編作とは思えない。
強烈でアホほどロックな映画だった。文句なしの満点。

『まだまだ出るぞぉ〜っ!!』

食って出すから生きてんだよね。
サトタカ

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