たわし

岬の兄妹のたわしのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
4.6
どこまでもやるせなく 衝撃的で リアルだった
兄の器用に生きられない所が今の自分のうまくいかない状況に少しだけ重なって 本当にしんどかった
どの場面をとっても「もし自分だったら」と考えてしまう
冒頭の妹が失踪するシーンで もういなくなってしまえばいいのに、と平気で思うのだろう
しかし作中の兄は違う 必死に生きているのだ どんなに世渡りが下手くそでも 不器用でも 妹と共に生きるのを忘れていない
法や倫理や綺麗事が自分を見捨てたとき 自分はそれらを保つことができるのか
重苦しい雰囲気の中で 二人の懸命に生きる様がよけいに生々しい
安易に人におすすめできるような物では決してないが 間違いなく名作だ
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