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岬の兄妹の六のレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
4.3
予告編でも重いわ、、、
先日「オアシス」を見てタブー気味な題材の作品は韓国のが凄いと言ったが
「岬の兄妹」なんちゅう映画撮るんや
、、ズシーンときた、上映時間が89分と短いなと思ったがのっけからラストまで釘づけだった。
ふと「聖者の行進」ってドラマを思い出したあれも重かった、、今となっては放送出来んドラマの1つだが

扱う内容、描写が重い重い、ってか痛い
このイタイ兄妹の判断(妹はどこまで理解してるのか)ほぼ兄の判断なのだが
あんたそれ「正しくはない」皆がそう言うであろう

しかし綺麗事では解決しないことがあって
汚れて手に入るしあわせもあるんだと二人を見てて思った
実際妹はある出来事までは生き生きとしてるように映った
あの客は、あれは恋ではないかとさえ


思うにあの海鮮丼野郎、あいつが居なければこうはならなかったかも
けどあれがなければもっとヤバい結果に?
それにしても他にやり様があったのでは、、
などと偽善的な考えがいっぱい浮かんだ

兄妹とは対極な環境の警官はじめ君、
この人には多少の余裕はあるが、今は兄妹より優先すべきものがある
それでも手を差し伸べる、それも偽善なのかもしれんが
変な言葉だけどこの人のは温もりある偽善だなと感じた

誰かの苦悩に対して外野から意見するのはいくらでもできる
実際にこういうとき、沈む船とわかっても最後まで側にいる
その覚悟がある者だけが干渉することが許されるのかな

ラスト、岬の先端で海を眺めてたあの子、何を想ってたのだろう
振り返った顔、、そしてエンディングへ
良くも悪くも取れる余韻を残して。


そんなわけで終演後も観客全員ズシーンなってた
そりゃ89分も胸クソ悪いもん見せられたらね、
けどそんな中でもいくつか笑いを堪えるシーンもあったんだよな
葬式など笑ってはいけないときほど笑ってしまいそうになる、あの感覚を覚えた
とにかく色々とヤバい映画だった。


観たあとにあーだこーだと討論したくなる
自分はそういった映画が好きだ
この作品も「あの時兄は、妹は」「ラストシーンどうよ」とか誰かと語りたいと思った
まあ賛否が別れる人を選ぶ作品ではあるが
平成最後に観た映画になるであろう
「岬の兄妹」
俺は絶賛するよ。
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