まりこ…
貯金箱。まりこの貯金箱がさ。
あれを壊すのは兄にとってひとつの壁だったんだろうな。
手を出してはいけないお金。
あれを壊す前と後で兄の態度がガラッと変わる。
障害者の性欲とか愛とかそんなんじゃなくて
人は見たいものを見たいように見るんだから。
まりこが客を取るようになって
まりこを隠すことをやめる兄。
部屋の明るさは一体なんの明るさだろうか。
お前が悪いのは足じゃなくて頭だ
に対する
偽善者、二度と顔を見せるな
だけど本当に困ったらどうしても頼ってしまう。
そうしないと生きていけないから。
偽善なんて要らないのにそれを拒否できない辛さ。
醜悪なのは兄じゃなくて
仕事を奪えば生活が苦しくなると分かっているだろうにクビにする社長
あんなチラシに電話してしまう男たち
あの値段に対してチェンジを要求する男
家賃に困っていると言っても5000円しか貸せないのにそれ以降様子も聞かないで売りやってると知ったら途端に電話してきて説教してくる友達
どうせ困ってることを見越してまた都合よく使おうとする社長
それでもその全てに縋るしかない兄妹の苦しさを一度見てほしい。そういう視点でこの映画を見てほしい。
持たない者は持つものを選べない。