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火花-Their/火花/テリ ~スパーク~のakiakaneのレビュー・感想・評価

3.7
ベビーフェイスなのにムキムキなギャップもさることながら、メガネにネルシャツのザ・陰キャモードと元副署長/必殺仕事人モードの演じ分けが巧みな主演のヴィジャイさんが大変魅力的だった。

それまで多くの凶悪事件にかかわってきたであろう警察官、ましてや副署長の立場の人間が一つの事件にそこまで入れ込んだ上に自ら手を下したことにやや違和感があるものの(しかも加害者のわっるい家族からバレてるし…)、被害者や被害者遺族からすれば加害者の陰茎を切り落として殴り殺したいだろうし(個人的にもやってほしい)、現実では無理でも映画でくらいやってくれてありがたい。
また、とことんベタな「正義の味方の勧善懲悪モノ」ではあるが、「警察が確認しているだけでも3万3千件(93件/日)のレイプがあり、暗数もあるため実際の被害はもっと多い。その上、加害者は1/4しか有罪にならず金ですぐ釈放され、女優の結婚のニュースでもあれば忘れられてしまう」と、深刻な社会問題を主人公以外の、それも比較的年配の男性が言う点や、発展する経済の裏で命ごと使い捨てられる労働者と残される家族まで出す点に制作者側の社会性と個性が感じられて好印象だった。

≪余談≫
日本で2010年に放送されたドラマ『JOKER許されざる捜査官』を思い出した。
 
ダンスシーンがやけにサイケな色合いで「ここどこ!?」な合成・ロマンチック空間にジャンプするが、3回ともテーマとメンバーが違うので飽きない。
 
復讐の応酬というなかなか深刻なストーリーなだけに、エンドロールで敵設定のキャスト同士が仲良くしていたりNGシーンでお茶目に舌を出して笑ったりする撮影風景のギャップに癒された。
エンドロールまで楽しめるエンターテインメント映画は得した気がする。
一方で美しいがショートカットに眼鏡という「正統派」でないからこそ魅力があった先生が結局エンドロールで「セクシーなお姉さん」枠になってしまったことが勿体なかった。
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