RyoS

馬上の二人のRyoSのレビュー・感想・評価

馬上の二人(1961年製作の映画)
3.8
正義感の強いジョン・ウェインとは対照的に、ジェームズ・スチュワートは正義のかけらも見られないお家大好き人間がとても似合う。

会話のやり取りが人間臭くて良い。二人の川辺のシーン、横並び長回しのなんともないショットが数分続くのだが、そのどうでもいい会話シーンを「どうでもよい」感じで撮るのがまた良い。そしてそのどうでもいい会話シーンの伏線をしっかり回収してるのもちゃっかりしてる。

ストーリーは先住民から白人を取り返そうという話なのだが、返して欲しい人、連れ去られた人の人間模様の描写が素晴らしい。無論白人目線で作られているので最初は「どう取り戻そうか?」という考えになるのだが、展開していくに連れて徐々に変化していく人々の考えが面白い。昔のジョン・フォードに見られる家父長制も薄く、若干の苦さ残るラスト含めて傑作だと思うのだが、なぜこんなに評価が低いのだろう?
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