よし

スポットライトのよしのネタバレレビュー・内容・結末

スポットライト(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

有り体に言えば、『家族や仕事に縛られた中年女性が自分の本当にしたいことをどうやってやり遂げるのか』という女性の生き方・変革についての映画。でも、そこに女性刑務所内での話や看守である主人公と受刑者のスター(という名前の女性囚人)が音楽を教わる生徒と先生役となって立場が逆転しお互いの感情が変化していく、というちょっと変わった設定があるので退屈せずに観られます。
看守と受刑者としてでは決して見ることがなかった一面を互いが見て意識が変化していくところが面白いです。

また、映画を観終わる頃になると、この映画は最初から主人公が歌手ではなくて看守の仕事を選ぶことを示していたんだということが分かってきます。彼女が歌手になる夢に向かって邁進するシーンでは情緒的音楽が流れ、現実の厳しい壁にぶち当たるシーンではバックで流れる音楽が途切れる構成になっていて歌手になる夢は彼女にとってやはりただの夢でしかないんです。

映画が終わった後もこの先彼女はどうするのだろうと想像させる終わり方で、いろいろな意見があると思いますが、私は彼女は更に看守という仕事に取り組むようになるんじゃないかと思います。彼女は最後にはスターを救うという選択をした訳で、彼女に取って本当にすべきなのは看守の仕事なのだと強く思ったはず。

ロシア映画はほとんど観たことがなかったのですがこれは結構面白かった。
よし

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