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彼女はひとりのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

彼女はひとり(2018年製作の映画)
4.3
高校生の澄子(福永朱梨)は、ある日橋から身を投げた。
しかし、死ねずに生還してしまった。
数ヶ月ぶりに学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明(金井浩人)を執拗に脅迫し始める。
身を投げる原因を作ったのは秀明であり、秀明が教師である波多野(美知枝)と密かに交際していると言う秘密を握っていたのだった。
その行為は日々エスカレートしていくが、そこには秀明との過去、そして澄子の家族に関わる、ある少女の幻影があった…。
監督の中川奈月が立教大学大学院映像身体学科の修了制作として手がけたもので、脚本の完成度の高さから、黒沢清作品などを多数担当してきた撮影監督の芦澤明子が参加。
田辺・弁慶映画祭の俳優賞のほか、第15回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のSKIPシティアワードなどを受賞。

最初は、澄子の幼馴染の秀明に対する執拗な復讐、澄子にだけ見える亡くなった母と澄子の大事だった少女と澄子の関係と癒しがたい孤独が、岩井俊二ほど胸糞ではないけど徐々に描かれていく。
クライマックスで明かされる澄子の復讐の理由、澄子の癒しがたい孤独の行方は、校舎の踊り場から屋上への澄子とある人の攻防と生々しい心のぶつけ合いがあり、人それぞれの中にある澄子の癒しがたい孤独にどう向き合うか解釈が別れるオチ、複雑な内面や癒しがたい孤独を含めてナチュラルな演技で澄子を演じる福永朱梨の力演が印象的な青春サイコサスペンス映画。
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