ちいさな泥棒

性本能と原爆戦のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

性本能と原爆戦(1962年製作の映画)
3.3
自分の街にある日原爆が落とされたら…?

ピクニックに向かう道中で自分の街からキノコ雲が…この時からサバイバルの始まりで「みなさんはもう民間人じゃないです」とラジオで宣告される。どんどん車を進めるにつれて文明が遠ざかっていって、しまいには洞窟で暮らし始める。こんな時でも自己を見失わないように男性なら髭を剃るなどルーティンを決めているのはいいなと参考になった。

サラッと描いているけれどひとつひとつ掻い摘んで見るとどれもエグいしまだまだ序の口なんだろうなと思うものばかり。人間の醜悪さがギュッと詰まってる。文化人ぶってるインテリな父親が自分達が向こう側に横断したいがために道路にガソリン撒いて火放つとかヤバすぎでしょ。

奥さんや子供達、己すらも知らなかった自分に出くわしてしまう極限状態。

「国同士の戦争は終わったかもしれないが、我々はまだ終わっていない」

ここからが本当の始まり。
タイトルは意味不明すぎるけど「性本能」は言われてみればそうかもしれない。今でも十分に通じる作品でした。

あとこれは深読みしすぎかもしれないけれどセリフ的にあそこで"被爆している"と認識されていたら避難所には案内してもらえなかったのではと思うと…ゾッ。

全然関係ないんですけどあとから合流した女の子のジーンズのフォルム、はきこなしが好きですw髪型とかメイクはお人形さんみたいなのにラフなのズルい🥺キュン。