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黙ってピアノを弾いてくれのISHIPのネタバレレビュー・内容・結末

黙ってピアノを弾いてくれ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

むしろソロピアノしかちゃんと触れて来なかった僕は、その頃YouTubeでチリーゴンザレスを検索して、ラップをしたり激しいパフォーマンスをする彼を観て、「あれ…なんか間違えてんのかな…」と思ったものである。
そんな距離感だったもので、彼がラップ・パンクバンドをメインに活動していたとは知る由もなかった。その頃にMockyやfeistのようなカナダのインディーミュージシャンと繋がっていた…というか同じバンドだったんだね。知らなかったし、feistについては彼女のアルバムを巡るエピソードも知ることが出来て嬉しい。
彼の活動を通じて、ソロピアノに至る過程、それに向けてピアノを練習していく様。どんどん音楽のみにフォーカスしていく。それと並行して、これまで自分自身も演じてきたチリーゴンザレスという存在の抽象性というか、自分自身がチリーゴンザレスである必要はないという。そこに至ってしまうのか、と。アーティストではなく、エンターテイナーなんだという言葉に全て集約される感じがした。彼は自分が何を生み出すのかということで勝負していなく、どう表現するか、でしかないんだな。そこに終始していける彼の姿勢こそが、天才と言える。
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