ファイストが好きだ。 だから見たかった。
作曲家というのは面白い。
アマデウスという映画の中のモーツァルトは人格が破綻していた。
何を考えているのかわからないキワモノ。
ただピアノに座らせると、不思議と瞬時に美しい音楽を作り出す。
何かそれと似たものを感じた。
表面的に映る部分と、内奥に潜むであろう美しいものを作り出す要素。
1割のそれを見るために、9割の我慢を強いられる。
いや、その表現は失礼か。
9割は怒りや反発、外に向けた感情であり、
1割は悲しみや慰め、内に向けた感情を表した音楽。
美しい音楽の背後に、美しい心があるとは限らない。
ただその要素として何かは見えずともあるように感じた。
そして見えないからこそ、また魅力的にもなるのだろう。