ねぎ地獄

ハンナ・ギャズビーのナネットのねぎ地獄のレビュー・感想・評価

5.0
🎥概要:
オーストラリア出身のコメディアン、ハンナ・ギャズビーによる、伝説的なスタンダップコメディショー、『ナネット』。2018年にNetflixからリリースされ、NY Timesで「近年で最も議論されたコメディー」と評された超話題作。保守的なタスマニアで育ったハンナがレズビアンとして経験してきた生きづらさや葛藤を語る。

✍️感想とその他メモ:
3/8が国際女性デーだったこともあり、この週末にいくつかピックした作品のひとつ。

とにかくすんごいもの観た。

序盤はセクシャルマイノリティだからこその自虐ジョークが満載。この調子で進んでいくのかと思った中盤、突然雲行きが変わる。

「私はもうコメディはやらない。もう過去のトラウマを笑いにしたくない。」

ここで空気がピリッとなり、彼女は自らが女性として、セクシャルマイノリティとして、コメディアンとして、これまで自身に起きた出来事を語り出す。

ホモフォビア(同性愛嫌悪)、ミソジニー(女性嫌悪)、マンスプレイニング(女性に説明したがる男性)などを感じた話と共に、彼女の溢れ出る感情、そしてこれまでこうした問題に向き合ってきたからこその考えが語られる。

2017年に#MeToo運動があった翌年にこの公演があったということも感慨深いです。これは果たしてコメディなのか何なのかという議論も当時交わされたようですが、そんなことはどうだって良いと言わざる得ないほどに大切な言葉が溢れるすんごいものでした。

私はなぜか途中から涙が止まらなくなり、最後は「とにかくすんごいもの観た」という感想に集約されるかたちになりました。


The New York Timesの記事:
‘Nanette’ Is the Most Discussed Comedy Special in Ages. Here’s What to Read About It.
https://www.nytimes.com/2018/07/13/arts/television/nanette-hannah-gadsby-netflix-roundup.html
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