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ハンナ・ギャズビーのナネットのYのレビュー・感想・評価

5.0
反同性愛法が1997年まであったタスマニア生まれのハンナ・ギャズビー。スタンドアップコメディアンとして、セクシャリティ(彼女自身はレズビアン)の自虐ネタで笑いをとってきたという。
「もうコメディはやらない」という中盤からの力強いスピーチ。圧倒的な彼女の言葉の数々は一言も聞き漏らさず全部ノートに書き留めたいほど。
自身のトラウマをストーリーとして語る。それも笑いや怒りとしてではなく、正確な物語として。
彼女と同じ立場ではないけれど、社会に対して言いたいこと、共感できることもすごく多くてラストで泣いた😭
ハンナ自身の経験と、美術史のメタファーを混じえながら話を展開していく見事なトーキスキル…。相当頭良いんだろうな。
ピカソの言葉への返答として「女の17歳が人生の最盛期だなんてことは絶対にありえないから!」という言葉で1Lくらい泣いた。
全く同じ経験をしたわけではないけど、この作品を観たからには私は目撃者なわけで、物語を広げていく義務がある。そして私たちは私たち自身の物語を正確に伝えていきたい。もう自虐はやめて、みんなで社会を変えていこう。
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