このレビューはネタバレを含みます
【 赤い夜 】
夜といえば、“青”というイメージが一般的だが(いやホントか?ヤマト)、本作に限っては真っ赤なんだ。
薄暗い夜(夜明け)に飛び散る血。
真っ赤に染まる男と女の情熱的な夜。R指定とはいえ、激しく過激な描写に息を呑む。脱帽してしまう。素晴らしい演技だったからだ。セクシーで美しかったからだ。
そして、予期せぬラストの血しぶき。本当に予期せぬことで、呆気に取られてしまうこの感覚は、鑑賞者としてすごく嬉しい。物語として悲劇なのはいうまでもない。
体を安売りするのは良くないということを知った。男と女も。リミットは夜明けまでという二人の情熱的な愛に、それが凝縮している。まるであの“本当の愛”のために、両者生まれてきたのではないかと思うほどに。確かにあの夜は青ではなく赤だったんだ。
朝加真由美さんと甲本雅裕さんの演技はやっぱり素敵だ。前者は温かさが滲み出ており、後者はとにかく渋い。カッコいい。ドラマ『ごくせん』好きからしたらたまらないのだ。