じゃくそん

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人のじゃくそんのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

interestingの方の面白い作品だった。
実話。まあドキュメンタリーだから当たり前か。

生き別れた3人が偶然の再会を果たすっていう夢物語見たいな感じで始まるドキュメンタリーだけど、実際は全くハッピーな話じゃない。凄く闇が深い。


以下は凄く面白かったから備忘録

話の構成が凄くしっかりしてる。序盤〜中盤ら辺からは何で生き別れたのかって流れだったけど、最初は実の母がデキ婚で、何やかんやあって生き別れただけかって感じだったけど、どうやらどっかの精神科医の研究らしいぞってなって、そっからまた考察されていく流れだった。

中盤〜後半は、その研究はどんな目的だったのかっていう考察に入るけど、最初は「人間の人格形成は遺伝子に依存するのか、それとも育った家庭環境に依存するのか」っていう目的だったんじゃないかって考察されるけど、3人とも全員10代で精神に疾患があった事がわかって、その親も精神疾患があった事とか他の同じ被験者の大半が何らかの精神疾患を患っていることから、「精神疾患は親から子へ遺伝するのか」っていう目的だったんじゃないかってなったけど、当時の研究に携わってる人に話を聞いたら、双子を家族構成が同じ、別の環境の家庭に分けたときに、その養子の親の育て方を研究してた事が明らかになるっていう流れだった。

自分は正直この研究テーマには凄く興味を持ったけど、あまりにも非人道的すぎる実験だから、こんな事は絶対にあってはならないと思う。せめて、研究結果を被験者にだけでも公表しないとダメだと思う。

その精神科医のことが許せないし、見終わった後もなんかモヤモヤが残った。

あと、結局あの養子を提供する会社もよく分からずに終わってモヤモヤした。

この作品の結論は、人間は遺伝によって大部分が決まるかも知れないけど、その人の核となる部分はやっぱり環境に依存するから、生まれた瞬間から運命が決まってしまう事はないっていう素敵な結論で凄くよかった。
凄く考えさせられる作品でした。