みつん

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人のみつんのレビュー・感想・評価

3.5
映画は、50歳を過ぎているボビーが
「まったく想像もつかなかった
私の経験をお話しします」と
画面に向かい語るところから始まる。

彼は19歳の頃、自宅から200キロほど
離れた大学へと車を飛ばした。

そこで学校に通う学生たちが
何故か、妙に馴れ馴れしく挨拶をしてくる。
ハグやキスまで。。。
それも、彼とは違う「エディ」
という名前を呼びながらだ。

結局、その「エディ」の友人が
彼に連絡をとることによって
なんと、このボビーとエディは、
引き離された双子だったことがわかる。

このニュースが新聞に載ると、
加えて、もう一人、彼らと瓜二つの
デイヴという男が現れる。

それぞれ、養子として育てられている3人。
養子縁組を扱う事務所から、それぞれ子供が
欲しがっていた家庭に分けて
預けられたということ。

三つ子だった、という事実は
それぞれの両親でさえ、知らなかった。
3人まとめて引き取る、という人が
なかなか出てこない、それが事務所の言い分だった。

別々に育てられた3人は、好きな食べ物も
女性のタイプも、体の動き、癖などもそっくり。

まるで一緒に育ったように、意気投合し、
出会えたことに歓喜する。

また、3人はありとあらゆる
メディアにとりあげられ、
テレビ番組でもひっぱりだこ。
ニューヨークでバーまで営業し、
大人気となっていく。

そして、それぞれ結婚をして、
これほど幸せなことはない、そう思う。

しかし、このあと、3人は
驚くべき事実に直面してしまう。


驚くような話は何度か聞いたことあるけれど、
この映画のツボはこの3人の再会が
辿り着く人間社会が持つ
とてつもない裏の顔だ。

そして、最も僕が面白い、そう思ったのは
人間の人格を作っているのは遺伝だけではなく、
生活環境である、ということ。

これも、あれも、あそこも、
ここもこんなに同じ!!と
驚く本人たちも、観ている僕たちも
実は「まったく違う」というところから
目をそむけている、という事実なのだ。

そう。人はすべて違う。だから、面白いのだ。
みつん

みつん