メル

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人のメルのレビュー・感想・評価

3.9
アメリカで1961年に生まれた三つ子の男子のドキュメンタリー。

彼らは生後直ぐに別々の家庭に養子に出され、その後19年間お互いの存在すら知らされる事はなかった。

大学進学をきっかけにその事実を突きつけられた三つ子のその後の人生と、その裏にあったある組織(ある医師)の実験。

人間は遺伝子で全て決まるのか、環境はどこまで影響するのか...「遺伝子or環境」の被験者になっていたという事実が明るみになる。

三つ子の家庭はブルーカラー、中流階級、上流階級と故意に分けられていて、被験者家族はお互いの存在も実験の事実も知らされていなかった。
彼らの他にも多くの一卵性多胎児を別々の家庭で育てて実験していた事がその後発覚。

実験をしてデータを取ることは有意義なことかも知れないが、それを被験者が全く知らされていないというのは人道的にどうなの?

その組織(医師)の関係者だったという人は言う「遺伝が全てだと我々人間は認めたくない、自分には人生を変える力があると思いたいの」。

実験の結果がどうであれ、自分の努力で少しでも明日が良くなると思わないと生きる希望みたいなのは湧かないと思う。

それにしても19歳で突然三つ子だと知らされたら人生ひっくり返るよね。
メル

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