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mid90s ミッドナインティーズのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ジャケ写が気になっていたのと、85分という観やすさだけでチョイスした青春映画。
男性の方が共感できる部分が多いはず。
全幅16mmフィルムで撮影されていて、それがラストに意味を持たせている🎥

序盤からの不良っぽい若者たちのトークが聞くに堪えないにもかかわらず、彼らを見守りたい気持ちにさせるのは、心根はワルじゃないことがすぐにわかるから。人種や年齢が違っても、差別やいじめは見られない。
ファックシットが「ニガー」という言葉を使うのは、そうなりたいほど憧れていて同輩の意味が込められているからだし、フォースグレードが「黒人」と呼ぶのは差別を嫌うから。
スティーヴィーとルーベンの「フォースグレード」と呼ぶのがはばかられるという会話は可愛らしい😉
レイはホームレスの男性と対等に会話を楽しんでいた。

大きな存在だった兄がちっぽけな人間に見え、自分よりもずっと深刻な悩みを抱えている人間が周りにいることを知り、見える世界が広がっていくスティーヴィー。
今は居心地の良い場所だけれど、このままずっとは続かないことも皆わかっている。

思春期の苦悩や危うさを描いていながら、爽やかな印象を残すところが本作の大きな魅力💫
特にレイの人格とスティーヴィーのベビーフェイスがそう感じさせるんだろうな...

大きな事故以外は平坦なストーリーで、ファックシットがどうしてああなったのかは簡単に語られるだけ、スティーヴィーの同級生との関係はどうなのか等、触れられていない部分は多いが、大人になる一歩手前の不安定な一時期の心象風景が、巧く描かれている。

落ち込んでいた時にファックシットがしてくれたことを、今度はスティーヴィーにしてやるレイ🛹
道路の真ん中(左折専用車線)をスケボーで走るシーンは、開放感と哀愁の両方を感じさせてキラキラしていた✨

フォースグレードの初監督作品で結ぶところがいい!⤴️

カセットやCDのコレクション、ファッション等、90年代半ばのアイテムが散りばめられているけれど、私にとってはつい最近で、「懐かしさ」に共感できるほど若くない自分を思い知らされるw😅
年齢を重ねることへのしみじみとした思いを感じさせるところは、本作の良さでもある✨

俳優ジョナ・ヒルの映画監督デビュー作。といっても彼のことは全くわからず...😓
検索しているうちに、兄がマルーン5の元マネージャーだということがわかってピンときたのが「メモリーズ」🎶
シンプルなMVが心に沁みるあの曲が捧げられた人物が、ジョナ・ヒルの兄(享年40歳)だった!
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