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mid90s ミッドナインティーズのデイのレビュー・感想・評価

4.5
ジョナヒル脚本監督作品+A24製作映画。

私は少年(少女)達のヒリヒリするような日常を描いた映画が大好きです!!

観終わった後にまず思った事は、
私が大好きなショーンベイカー脚本監督作品である「フロリダプロジェクト」を彷彿しました。

フロリダ…は35mmフィルムとiPhoneで撮影された映画。

この作品は16mmフィルム
画像の質感がまず大好きです!!

ショーンベイカー監督のフロリダ…と被るのは、社会的弱者…のLAに住む少年達を描いているところでしょうね。

冒頭で兄イアン(ルーカスヘッジス)にボコボコに殴られる主人公のスティーヴィー13歳。

このシーンのインパクトが強かったです。

スティーヴィーがつるむようになったスケーボーグループ。
肌の色もみんな違う。逆に白人のほうがバカにされてる感じもしたり…。

一見…最初のほうは、ただただつるんでいるだけのようにみえますが…。

プロスケーターを夢見るレイ(ニガと自分で言ったり呼ばれる事も)

メキシコ系のいつもフラフラしているファックシット

光と影のような2人…どちらが光でどちらが影なのかは、観る人によって変わって来ますね。

この2人を中心に
内気な映画監督を夢見るフォースや、
まだ幼いルーベンも仲間に入っていて、
それをウザがったりはしないんですよね。

ルーベンは一番年下だったから、使いっ走りをやらせれたりしていましたが。
その役目がスティーヴィーへと移り変わる。
スティーヴィーのニックネームは"サンバーン"

煙草も吸った事が無いのに、背伸びしちゃったりして(笑

外では、楽しくてニコニコしているスティーヴィーから
家の中でのスティーヴィーのシーンへと切り替わる時に、いつも緊張が走る。

太陽眩いLAの日差しから、家の中の暗。

スティーヴィーは年上のスケーボー仲間とつるむようになり、
煙草、酒、マリファナ、軽いドラッグ…そして女…
と色々なものを経験し、
やがて、自分に自信を付けて行き、
兄のイアンの暴力から立ち向かえるようになるのです。

イアンは何故そんなに、弟のスティーヴィーに対して暴力を奮うのか?

それは、
シングルマザーの家庭で
ママ(キャサリン・ウォーターストーン)が
たまに男を家に連れ込んだり、
18歳でイアンを産み育て、母親から聞きたくも無い言葉を浴びせられたり

イアンにはイアンなりの、家庭での抑圧が分かります。

でも、もう、やられっぱなしでは無くなった弟スティーヴィー。
兄のイアンと
2人の心が打ち解けて行くシーンは言葉少なめで、さりげないシーンださらこそ、観ている側に突き刺さるんですよね。


そして、音楽
私はHip-Hopやラップは殆ど分かりませんが
(Hip-Hopやラップ曲も心地良い)

Hip-Hopやラップだけで無く、

ハービーハンコックやニルヴァーナ(詳しくは無いです)
や、カリフォルニアサウンドとして有名なママス&パパス

そして、夜の公園で
モリッシーの歌声が響く…
もう、The Smith(モリッシー)好きな私としては、このシーンから流れるモリッシーの歌声が感激でしかありませんでした😢

この音楽のチョイスの良さったら!!

少年達の未来は絶望しか無い?
今さえ良ければ、それでいいじゃん!的な考えの子達は、きっと誰ひとり居ない。

ある出来事によって、
ただただ、つるんでいただけの5人組が
"本当の"仲間となる。

スパっと切るようなラストも好み。


PS: スティーヴィー役のサニー・スリッチ
現在16歳…
「聖なる鹿殺し」
で、幼い弟役を演じていた子ではありませんか!!
ビックリ😲‼️

大人になったなー。
私もオバチャンにどんどんなって行く訳です💦

ルーカスヘッジスは、本当に色んな役をこなす役者さんになりましたね。
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