おばけシューター

mid90s ミッドナインティーズのおばけシューターのレビュー・感想・評価

4.0
あの頃なぜボクたちはワルに憧れたのか?

心理学者曰く、不良への憧れは動物的本能によるものだそうです。睨みつけるのは威嚇行為、肩を揺らして歩くのは縄張りを広く取ろうとする示威行為。なるほど確かにそう思えますが、それだけじゃないよね。
ホントは彼らの奔放さこそ、正しい生き方だとわかっていたのでは?先生や両親の束縛を足蹴にし、誰よりも好きに生きていることが正しい人生のおくり方と、素直に理解していたのでは?
テキトー言いましたが、なんだかそんなことを思い起こさせ、言わずにはいられなくさせられる、さすがはA24の青春映画。よくできてるう👵🏻

90年代LAのことよく知りませんが、ファッションや車、街並みは当時を再現しているようで、映像にもノスタルジーを起こさせるフィルター。アスペクト比も違っている。もちろんサウンドトラックもおそらく言葉遣いも!

ところでワルだけどイイやつ、というギャップはスケートボードと互換性があるように感じる。どういうことかと言うと、スケボーってこの映画が示す通り不良文化であるのに、みんなめっちゃコツコツ練習するじゃん。当然のように。
現実のボードパークでもサボってるやついないもんね。それほど魅力的なスケートボードがすごいのか?いやいや、そもそも彼らは最初から、不良であっても不真面目ではなかったんですね。

この映画で最高なのはもちろんラストのあのムービーで、お勧めしてくれた友人いわくあそこで映ってるカットは本編でもフォースグレードがちゃんとカメラで撮ってるらしい。めちゃええ。

御多分に洩れず、私も不良に憧れてました。スケートボードはやりませんでしたが、年上の無職の友人とつるみ、理由もなく渋谷の公園で夜を明かしたり、教えてもらったクラブ文化を同級生にひけらかしたり、高いとこから飛び降りて骨折したりして、それなりに楽しかった。しばらくして彼は10万円俺から借りると、あっという間に姿をくらました。

Fuckshit🖕

おわり