半兵衛

砂塵の半兵衛のレビュー・感想・評価

砂塵(1939年製作の映画)
3.7
もやしっ子のような外面とは裏腹に頭の回転の良さとやるときにはやる頼りがいのある男前っぷりを持つ若いジェームズ・スチュワートが魅力的過ぎて、悪女キャラのマレーネ・ディートリッヒが彼にベタぼれしていくのも納得(この映画のとき二人が付き合っていたというのも大きいけれど)。

街を牛耳る悪党に戦いを挑む保安官というベタな西部劇がなぜ『死ぬ前に見ておきたい映画』に選ばれたのかと思ってしまうが、テンポのよい語り口と法律と頭脳、ちょっとの暴力で悪人を片付けてしまうスチュワートの活躍っぷりが小気味良くて楽しめる充実した娯楽映画になっておりそうした点を評価したのかなと思える。

主人公が口癖のように言う「友人が~」の使い方も絶妙で、泣かせる場面や最後のオチにまで活用してしまう巧妙な演出に舌を巻く。

五社英雄作品のような迫力あるキャットファイトや手塚治虫の漫画みたいな酒場でのラストの大人数によるアクションも見所。
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