140字プロレス鶴見辰吾ジラ

オーヴァーロードの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
3.9
【グッドシネマ枠】

最高!!
景気が良い映画体験!!
第2次世界大戦!?
ナチスのゾンビ研究!?
新兵成長モノ!?
ヒロインが勝気で美人!?
実はハートフル!?

おいおい、不景気な世の中に
ぶっ飛び具合の調度いい
景気の良い映画がやってるじゃん!

まず冒頭から最高。米軍の降下部隊を目標地点まで送り届ける輸送機の中でのキャラクター紹介。質感出てて愉快なのと、定期的振動が滞空放火とわかりそこから地獄絵図化していく輸送機内の混乱状態をずっと映し続けるのでビクビクのワクワク。ふと窓の外見れば対空砲火で撃墜され、火の玉と化していく仲間の輸送機。そして自分たちも…。この冒頭からクライマックス的ヤバさなのが最高にのめり込めるし、軍曹殿の「地獄で楽しもうぜ!」的な捲し立てがホットで最高。

ナチスのゾンビ研究と冒頭で書いてしまったけれど、実際オカルトイズムにのっとった題材のチョイスが良いし、その中で臆病で情に優しい新兵がビビりながら、「地雷を踏んだらサヨウナラ」的な脅威に迫られても、惚れた女のために戦士として覚醒していくくだりなんか最高としか言いようがない。

バランス的には兵士たちの作戦開始までのタイムが長く、大量のゾンビを第2次大戦下の武器で一掃するような爽快感はないが、相手がヒトラー率いるナチスとあっては、製作側の気合いを感じざるを得ない、カタルシスある少人数ラストアタックに大盛り上がり。ヒロインだって掟破り的なシーンになったけれど、近距離で銃を連射するシーンのセクシー&バイオレンス的な爽快感が堪らない。

途中、明らかにドリフかなんかの大がかりなコント的潜入描写があるものの、ツッコミどころとかではなく、明らかに作り手がシリアスに描くオカルトホラーアクションの道のりに何度か通り過ぎる確実なハートフルモーメントにテンション上がること間違いなし。良い、働きだぞ!野球少年くん!

映画としてのアンダードッグ性と女のために強くなる若者の描き方がピカイチ乗れて、そして景気の良い爆破クライマックスまでトッピングしてくれるのだから映画体験として最高。明らかにグッドシネマ枠。最近、職場の部下とダイエットに挑戦し、我々の社会はありとあらゆる糖質含んだ食品に監視されているのだと嘆きならが、週1度は親権失ったパパが娘に会うように糖質ガツガツの食事をしたいと願う今日この頃に、こんな素敵な脂ののった炭水化物のおもてなし映画を体験出来て嬉しくて仕方ない!礼に始まり礼に終わるようなセリフ回しからエンドロールへ入るモーメントの魅力を体感あれ。