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ある画家の数奇な運命のkazu1961のレビュー・感想・評価

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)
4.2
▪️JPTitle :「ある画家の数奇な運命」
ORTitle:「Werk ohne Autor」
▪️First Release Year : 2018
▪️JP Release Date : 2020/10/02
▪️Production Country : ドイツ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-068
🕰Running Time : 189分
▪️Director : フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
▪️Writer : フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
▪️MusicD : マックス・リヒター
▪️Cast : トム・シリング、セバスチャン・コッホ、パウラ・ベーア
▪️Review
終盤の主人公クルトが描く写真の模写のシーンで鳥肌が立ちました。
とても官能的でエモーショナル、ドイツの激動の時代を生きて客観的に眺めてきた主人公の少年の心が大人になって芸術を通して溢れ出る様を見事に描いてるのには感動!!そしてサスペンス仕立てになってるのがなお良いです。
本作、作品に数十億の値段がつくこともあるという現代美術最高峰の画家であるゲルハルト・リヒター。そのリヒターをモデルにして、ドイツを舞台に戦中から戦後にかけての芸術家の半生を描いた作品です。本作で描かれていることの多くがリヒターの伝記には登場するそうですが、映画化に際して登場人物の名前を変え、どこからどこまでが事実か分からないようにすると言うのがリヒターがつけた条件でした。そのため監督の『善き人のためのソナタ』で一躍注目されたフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが多くの脚色をしたものと思われます。
3時間の大作ですが、ドイツの歴史の闇と、芸術の光を卓越した脚本と演出、そして美しい映像と音楽で見事に描かれているため時間はあっという間に過ぎ去りました。

物語は。。。
ナチ政権下のドイツ。少年クルトは叔母の影響から、芸術に親しむ日々を送っていました。ところが、精神のバランスを崩した叔母は強制入院の果て、安楽死政策によって命を奪われます。終戦後、クルトは東ドイツの美術学校に進学し、そこで出会ったエリーと恋におちます。元ナチ高官の彼女の父親こそが叔母を死へと追い込んだ張本人なのですが、誰もその残酷な運命に気づかぬまま二人は結婚します。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に、エリーと西ドイツへと逃亡し、創作に没頭します。美術学校の教授から作品を全否定され、もがき苦しみながらも、魂に刻む叔母の言葉「真実はすべて美しい」を信じ続けるクルトでしたが。。。(参考:公式HP)

とてもエモーショナルな素敵な作品でした!!

▪️Overview (映画. comより)
長編監督デビュー作「善き人のためのソナタ」でアカデミー外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が、現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルに、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマ。ナチ党政権下のドイツ。叔母の影響で幼い頃から芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、終戦後に東ドイツの美術学校に進学し、エリーと恋に落ちる。エリーの父親は、精神のバランスを崩して強制入院し、安楽死政策によって命を奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官だった。しかし、誰もそのことに気づかぬまま、2人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、エリーと⻄ドイツへ逃亡し、創作に没頭するが……。主人公クルト役を「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリングが演じた。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第91回アカデミー賞では外国語映画賞と撮影賞にノミネートされた。
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